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憎愛

by 不実 fujitu

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lyrics

視界不良の為これより先のことは描けない、ならば進むしかない、その先に何があろうが受け止めていく
今まで言葉に出来ずに墓場に埋めた数々の意志も、冷笑され自身から外に出すことを恐れた旋律も、今では不思議と私から外に出ることを望み始めたんだ
もう誰の指図も受けない、そこまでどうして行動するのかをお前に説明したところで平行線を辿るだけの話じゃないか

膝をくの字に曲げ地面を思い切り蹴り上げる、重力に逆らい抗いながら飛び上がる

忘我

飛ぶ鳥、横に並び羽ばたく私に疑問は抱かず、自慢の翼をはためかし羽が抜け落ちる
ひらひら落ちてゆく羽は太陽の光を浴びて、きらきらと煌めくが一瞬で潰え去るもの
そんなものに目もくれず目前に広がる何処までも続く青空に可能な限り手を伸ばすことに情熱を注いだ
甲斐性なしの私でも高く舞い上がることが出来たんだ、その錯覚に興奮してもう何も見えなくなってしまった

劣等感を脱ぎ捨て、猜疑心には耳を傾けず、卑屈を踏み潰し、罪悪感から目を背けた
私を構成するものをすべて捨ててしまった結果、何も残らず

気付けば身体は重力に逆らえずただただ落ちていくだけ、意識がある故にまだまだやれると嘯くが遠のく鳥の腹は次第に見えなくなると同時に自分さえも見失いそうになってしまう
青い空がゆっくりと私を手放す
何処かで聞いた、自分は何も出来ないと思い込まず、自分を信じてなんでもやるべきだってセリフもあの時の光彩を失い、今では酷く霞んで憎しみの対象でしかないんだ
自発的に動かそうとしたものが思い通りに動かなかった時に、こんなにも憎悪で塗れてしまうことなど知りもしなかったよ、最初から私には無理があったのかもしれないし、別の結末もあったのかもしれない
他人にとっては私の表現なんて価値もない月夜の蟹のようなものだった、だけどそれが分かったことで少しは安心して眠ることが出来るはずだよ

さよなら 

また会えればいいね

credits

released May 12, 2023

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